ChatGPTの新機能である「Custom instructions for ChatGPT」が発表されました。
Custom instructions for ChatGPT (openai.com)
現在はまだベータ版ですが、実際に試してみようと思います。
どんな機能なのか
ChatGPTに何かを依頼するときに、有名なプロンプトとして「深津式プロンプト・システム」があります。
こんな感じに書くプロンプトです。
命令書:
あなたは{プロの編集者}です。
以下の制約条件と入力文をもとに{最高の要約}を出力してください。制約条件:
・文字数は400文字程度。
・常用漢字のみ使用。
・である調で統一。入力文:
{入力文章}
出力文:
これは、ChatGPTのロール(役割)を与え、その立場で回答を促す非常に有効なプロンプトテクニックです。
ただし、これは新しいチャットを開始するたびに毎回書かなくてはいけません。
大体が前回のチャットから上記の部分をコピーしてきて、使い回すことになると思います。
「Custom instructions for ChatGPT」は、これを記憶しておく機能です。
使うための設定

ChatGPTのチャットの画面の左下にある「…」を押し、「Settings & Beta」をクリック。

Settingの画面で、「Custom instructions」のトグルをONにする。ONにしたあとは×で閉じる。

再び「…」をクリックすると「Custom instructions」が増えているのでクリック。

導入のメッセージが出るので、中身を確認したらOKをクリック。

Custom instructionsの設定画面が出るので、この画面で設定を行う。
上段がChatGPTにあらかじめ依頼しておきたいこと。
下段がChatGPTに対応してほしいこと。
実際に試してみる
設定内容
上段:小学校3年生に教える教師として答えてください。
下段:考えられる方法を3つあげてください。
質問:夏休みの宿題でできる自由課題を教えてください。

チャット画面の上部にあるiマークにカーソルを当てると設定内容を確認することができます。

/
同じ(ような)質問を条件を変えて実行してみます。
なお、設定後は新しいチャットで適用されます。
設定内容
上段:中学2年生に教える教師として答えてください。
下段:考えられる方法を5つあげてください。
質問:夏休みの自由課題を考えてください。

どうやらちゃんと設定が反映されて回答してくれているようですね。
まとめ
Custom instructionsはあらかじめ決まったプロンプトを書く人(特に複数の条件を指定するヘビーユーザー)にはとても有効な機能。
私であれば、「プロのプログラマとして答えてください。」「コードはコメントも付けてください。」みたいなことを毎回書かずに済みます。
一方で、毎回違うことを書く人には使う必要のない機能でもあります。
チャットの画面の上部で設定した内容を確認できるのはとても便利で、あとで見返したときにどんな設定でチャットしたんだっけ?というような事態を避けることができます。
個人的にはCustom instructionsのセット自体を複数保存できて、適宜呼び出して使えると便利だなと思います。
今はまだベータ版。ちゃんとしたバージョンになったときにまた試してみます。